2016年2月18日木曜日

160217「もっと下手くそに、政治について語りたい!」ロンブー田村淳

選挙ドットコム
2016年2月17日
「もっと下手くそに、政治について語りたい!」ロンブー田村淳が政治や選挙について投稿する理由【前編】 | 選挙ドットコム編集部
http://go2senkyo.com/articles/2016/02/17/14641.html


「選挙をもっとオモシロク!」をテーマに掲げてひた走ってきた選挙ドットコム。オープンから半年、記事数も増え、Webサイトも少しずつバージョンアップし、着実な成長を遂げてきたものの、まだまだ目標地点には届いているとは言えません。

「このままでは駄目だ!」

その想いから、選挙ドットコム編集部は、「面白い」を極めながら政治への発信を続けるプロフェッショナルにお願いし、企画会議に参加していただくことになりました。そのお相手とは……。



押しも押されぬ人気芸人のロンドンブーツ1号2号田村淳さん!Twitterのフォロワー数は日本トップクラスの180万人超え。そのような立場ながら、芸能人がリスクを恐れて避けがちな、社会問題・政治問題への言及にも積極的なことで知られています。

ロンドンブーツ1号2号の田村淳氏が、リスクを承知で政治や選挙について発信し続けるのはなぜか。選挙ドットコムへの企画に何が足りないのか。90分に及んだ企画会議の内容を前後編でお届けします。

賢い人はコミュニケーションが下手!?

——淳さんは、ツイッターやインタビューでも、積極的に政治問題について言及されてますよね。芸能人にとっては、リスクも伴う行為だと思うんですが、どうして情報を発信し続けていらっしゃるんでしょうか。

田村淳氏
「うーん……表現が難しいんだけど、まず、知識がすごくある賢い人たちって、コミュニケーションが下手だなと思うことが多いんですよね」

——コミュニケーションが下手、ですか。

田村淳氏
「自分の知っていることが一番正しくて、知識量としてもMAXで、違う意見の連中はみんな間違ってるし勉強不足だから話にならない、っていう切り捨て方をする人が多いと思う。特に、政治経済に詳しい人って特にそういう傾向があるんじゃないかと感じます。そういう風にされたら、自分が正しいと思い込めるタイプじゃなければ萎縮して意見が言えなくなっちゃうし、自分が正しいと思ってる奴同士だとすぐバトルが始まっちゃいますよね。でも、ここのバトルを繰り返していたって、新しい人って入ってこないんですよ」

——結局、ある程度詳しい人たち同士でやり取りするばかりで議論が広がっていかない。



田村淳氏
「そう。『もっとみんな政治に関心を持ちましょう』とか言うけど、ここが変わらない限り、政治について語る場、っていうものが広がっていくことはないですよね。そこにちょっとでも貢献したいと思っているところはあって……。僕、ツイッターでも、気になる意見を発信している人にはすぐに直接DMするんですよ。その人がたとえ『お前らわかってない!』みたいな、高圧的な物言いの人でもね。とりあえず、『あなたが安保法案について語っていることに興味があります』とメッセージを送って、色々教えてもらった後に、『僕はこういう性格だからあなたの意見も聞きたいと思ったけど、普通の人はそういう言い方では怖くて聞こうと思わないですよ。せっかくたくさんの知識を持っているのに悲しくないですか』って聞くんです。そうすると向こうも、そこでようやく『それは悲しいです』って言ってくれる。コミュニケーションしたいとは思っているんですよ」

——確かに普通の人は、高圧的な言い方をしている人に直接話を聞こう、とは思わないですよね。

田村淳氏
「あなたの意見を聞きたいです、っていう姿勢さえ見せれば、『お前はわかってない!』って頭ごなしに言ってくる人たちでも、どんどん、新しい意見を出してきて教えてくれるんですよ。こういう人たちの力をもっと引き出したいんです、僕は。知識を持っている人には『そこでもっとこういう言い方をすればいいのに』って思うことが多いし、一方で知識のない人たちに対しても、もっと色々語ってほしいし、知る努力をして欲しいと思う」

——だから、まずはご自身が率先して発信されているわけですね。


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もっと政治について語れる場をつくりたい

田村淳氏
「ごく普通に、色んな人が、色々な意見を言い合える状態じゃないとまずいと思うんです。みんなが違う意見を持っていていいし、知識量だって同じじゃなくていいんだ、っていう前提を持てないから、自分への反対意見にばっかり反応しちゃうし、知識がそんなにない人たちはとにかく黙ってしまう。」

——投票においても、「よくわからないのに投票していいんだろうか」って考えてしまって、投票しない人もいます。

田村淳氏
「だから僕は、知識とか全然ないですけど、とにかく興味のあることについては自分の意見をバンバン言って、『お前はわかってない!』と怒ってやってくる人を捕まえてるんです。そこからコミュニケーションが生まれるので。」

——なるほど。一方でネット上だと、わからないことについては黙っていよう、でも批判は知識がなくてもできるから政治家のことはとにかく叩こう、という空気があるような気もしますが、どうですか?

田村淳氏
「ネットをそういうふうに使っている人が多いから、もったいないですよね。ちょっと政治家の悪いニュースが流れてきたら全力で叩きまくる人たちもいて。いつまでもこんなやり取りしていても不毛だから、そういう風潮は無くしていきたいんですよね。叩くだけじゃなくて、政治家の褒めるべきところは褒めたらいいと思う。」

——月並みな言い方になってしまいますが、政治家は自分たちの代表ですし、一生懸命に取り組んでいる方もたくさんいらっしゃるので、そこを有権者に伝えるお手伝いができればと思い、選挙ドットコムも運営しています。まだまだ目標は達成できていないですが。



田村淳氏
「本当はもっと、下手くそに政治について語れる場だってあっていいはずなんです。というか、そういう企画を自分で考えたことがあるんですよ。ファミレスで、政治についてざっくばらんに語るザクバラという企画」

——現役の政治家をゲストに招いて、ツイキャスで放送されてましたよね。あの企画は復活して欲しいです。

田村淳氏
「ありがとうございます。でも、それをやるのは僕じゃなくてもいい、とも思うんです。というのは僕はもう、『発信の場を持っている』人間の一人なんで。東京MXで『淳と隆の週刊リテラシー』っていう、政治がテーマの番組も持たせてもらってますし。『田村淳が政治について語る』っていうのはもう、あまり新鮮味がないでしょう。また淳か、って思われちゃいますよ(笑)。僕以外でも、本当は政治についてもっと発信したいって考えてる人はいるはずなんで、そういった方に譲っていきたいですね」

——自分の発言する場を増やしたい、自分の発言力を高めたいというわけじゃなくて、あくまで色んな人の意見発信を増やしたいんですね。

田村淳氏
「そうです。正直、芸能人という立場で政治に言及するのはリスクが大きいし、めちゃくちゃ叩かれるし、僕だって実はいまだにビクビクしてるんですけどね。よく『あいつは思想に一貫性がない!』って批判も受けるけど、右だ左だって話も、結局議論の本質じゃないですよね。この問題についてはどっちかといえば右寄り、この問題についてはどっちかといえば左寄り、っていう意見の持ち方って別に変なことではないはずなんで。一つの問題について右っぽい考え方だからって、他の全ての問題について右にならなきゃなんて僕は考えない。ごくごく普通の生活を送っている人たちって大抵そうじゃないですか? でもそういう意見の持ち方が許されないような空気があるから、そういった流れが変わるといいなぁと思います」

——淳さんのような方が素直な意見を発信されていることで、「そうやって語っていいんだ」と安心する人も多いと思います。

田村淳氏
「でも、伝わらないことが多いですよ。何を言っても叩かれる。ハイハイ、また『知りもしないで語るんじゃない』って言われつつも……。でも仕方ないです。思ったことをちゃんと言わないと、僕の場合体に悪いし(笑)。政治経済マニアにだけ語らせておくのは危険だとも思っているので。新日本プロレスオーナーの木谷高明さんが、『すべてのジャンルはマニアが潰す』って言い方をしてますけど、まさにネットはマニアが先行しがちだと思います」

——一部のマニアがその場を独占するのは確かに危険ですね。自分がこのジャンルについては一番よく知っている、という気持ちで他の人たちの意見を排除していって、結局その世界自体が縮小していってしまう、という流れは避けたいです。



田村淳氏
「うん。だから今は、『下手なしゃべり場』、『無知なしゃべり場』がもっと必要なんです。知識人から『お前は何言ってるんだ!』と怒られないで語れる場。知識を持ってる人達にいいね!ボタンを押すみたいに、『あなたの意見で新しいことに興味を持ちました』っていう意思表明をする人が増えれば増えるほど、世の中の人たちの意識は高まると思うんです」

——なるほど、それはぜひ選挙ドットコムでも企画して実現していきたいです!他にも私たちで考えた企画案があるので、ぜひご意見を聞かせてください。

後編では選挙ドットコム編集部の企画をロンブー田村淳がメッタ斬り!?(近日公開予定)

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