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安倍総理が、またまた改憲議論から逃げた。
2016年1月27日、衆議院本会議の代表質問で、日本共産党の志位和夫委員長が自民党改憲草案に明記されている「緊急事態条項」について、「独裁政治、戦争国家に道を開き、憲法9条改定につながる危険きわまりないものだ」と追及。安倍総理の認識を質したが、安倍総理は「政府としてお答えすることは差し控える」と回答を避けた。改憲をめざすと公言し、しかも「正々堂々と議論する」と言いながら、何の理由も根拠も示さず答弁を拒否。議論からはすたこらと逃げ出した。
これに先立ち同月19日には、社民党・福島みずほ副党首が、緊急事態条項について「内閣限りで法律と同じ効力を持つことができるのであれば、これはナチスドイツの『国家授権法』とまったく一緒だ」と迫った際にも、「限度を超えた批判だ」などと気色ばんで見せたものの、議論の土俵には上がらず、議論の下から遠吠えするのみ。自民党の改憲案の緊急事態条項とナチスの授権法との違いも説明せず、「憲法改正の草案について個々にお答えすることは差し控えたい」などと回答を拒んでいた。まったくもって意味不明の遁走である。
その後、安倍総理は22日の施政方針演説で、憲法改正をめぐる議論で「正々堂々とし、逃げない」と大威張りで演説。今度はいよいよ議論に応じるのかと思えた。
しかし、わずか4日後の26日、民主党・岡田克也代表が緊急事態条項について、「基本的人権を制約することが可能となる。民主主義の根幹を揺るがしかねない問題」と指摘し、「現行憲法で、具体的に、何が足らないのか」と説明を求めると、安倍晋三は舌の根もかわかないうちに、「政府としてお答えすることは差し控えさせていただく」と、まさに「尻に帆をかけて」逃げ出した。恥も外聞もない。卑怯卑劣大嘘つきといわれようと、説明もしないし、議論にも応じない。
確かに安倍総理は、これまでも卑怯であったり、卑劣であったりした。大嘘つきであることは周知の事実である。みっともないことを平気でできる無神経の持ち主でもある。
だが、この逃げっぷりは、やはり尋常ではない。徹底している。逃げて、逃げて、逃げ回って、時間稼ぎをしているのは、明らかである。
なぜなのか。「とんずら総理」と何と言われようと、議論に応じないのは、説明すればこれがとてつもなくひどい人権侵害を行いうる危険条項であることが万人に明らかになってしまうからである。かつて、これほど危険な改憲案が現在の政治課題として浮上してきたことはない。緊急事態条項の危険性については、我々は何度となくお伝えしてきた。
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