台湾の歴史的な「政権交代劇」で「第三勢力」の小さな政党が存在感を発揮
「台湾では、二期8年間に渡る国民党の馬英九政権に対して、国民党の親中的な態度への不満以外に、『経済状況もよくなっていない』、『給料は上がらず貧富の差が広がった』など生活面での不満の声が、目立っていました。
2014年春以降からは『318ひまわり運動』の影響もあり、様々な社会問題において、政権に対する多くの抗議活動が続いていました。また今回、総統選の候補を決める際から、国民党内では大きく揉めていたんです」
Uさんよると、「318ひまわり運動」以降、与党の国民党の支持が急落するのと反比例するようにして、「台湾独立」を強く主張する声が高まってきたそうです。そこで受け皿となったのは民進党だけではありませんでした。今回の選挙では、従来の「国民党 対 民進党」という二大政党の戦いではなく、「第三勢力」の小さな政党が存在感を発揮したのだといいます。
「『318ひまわり運動』後、運動に参加していた学生や市民たちがつくった政党『時代力量』や、反核運動などを進める環境団体の参加者などが精力的に応援している『緑党』と『社会民主党』が2015年に共同で新たに設立した『緑党社会民主党聯盟』などです」
さらにUさんは、「市民運動や学生運動に参加している人々の多くは、『政権交代の為に総統選では民進党の蔡英文候補に入れ、立法院選挙では、国政へ新しい風を通す為に、大政党ではないところに入れる』と選挙前に話し、自分の身の回りで地道に票を集めていくことに努めました」と言及。こうした「戦略的」な投票行動が今回の結果を生んだんですね。
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