朝日新聞デジタル 1月30日
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160130-00000008-asahi-pol
甘利明・前経済再生相の事務所の現金授受問題は、辞めた公設秘書らによる「口利き」の有無が焦点の一つとなっている。議員秘書や役人によると、議員側の役所などへの働きかけは日常的にある。どのような「口利き」が法に抵触するのか、識者の見方も分かれている。
「新技術を開発した地元業者がいるから会ってもらえないか」。ある農林水産省幹部には、そんな依頼が国会議員の秘書から年10件以上寄せられる。予算配分や官僚人事に関与する議員側の依頼は断りにくく、業者には「基本的に会わざるを得ない」。だが、それ以上の要望は断るという。
「支持者の子が大学を受ける。何とかなるかなあ」。別の中央省庁幹部は数年前、国会議員秘書から電話を受けた。「難しい」とやんわりと断ったが、中には菓子折りを渡してくる議員も。要望は聞き、ほぼ同額の菓子を返す。「自分の身を守るため、細心の注意を払っている」
国土交通省職員の一人は「政策を通すために政治家に理解してもらうことが大切。相手が与党か野党か、有力議員かで対応も違ってくる」と打ち明ける。
議員側にも事情がある。「昔は交通違反のもみ消しは簡単にできた。見返りに選挙時、人を動員してもらい、票につなげるのが一般的だった」。自民党のベテラン秘書は語る。新潟県警幹部が議員秘書を介した依頼で交通違反の記録を消した事件があった2000年以降は難しくなったが、今も支援者の依頼はあるという。
民主党議員の秘書も「従業員の入管手続きを早めて欲しい」「子どもを私立大に入学させたい」などと口利きを求められた経験がある。「どんな依頼でもその場では断らない。頑張っているというポーズが大事。選挙で票になる。政治家側の問い合わせに役人は門前払いできない」
閣僚経験もある自民党衆院議員の秘書は一昨年、口利きのお礼に地元の支援業者から「100万円単位の現金をもらった」と明かす。政治資金収支報告書に業者名を書く必要のない20万円ずつのパーティー券購入費に分散して領収書を発行し、一部を「手数料」としてもらったという。「雑所得として確定申告もした。何もやましいことはない」
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