2016年2月3日水曜日

ブログ:安倍首相「学者の7割が自衛隊を違憲としているから改憲」。9割の学者が違憲という法律を作ったくせに。



日本最大の極右組織、日本会議系の集会に寄せられたビデオメッセージ。

安倍首相が日本会議系の改憲集会に「憲法改正に向けて、ともに、着実に歩みを進めてまいりましょう。」



 衆院予算委員会は2016年2月3日午前、安倍晋三首相と全閣僚が出席し、2016年度予算案の基本的質疑に入りました。
 自民党から質問に立ったのは、安倍首相の後継者候補の一人とみられる右翼政治家の稲田朋美政調会長
 そもそも、この二人のやりとりなんて言うこと決まってるんですから、質問時間はいらないと思うんですが。
 さて、稲田政調会長が
「憲法改正は自民党の党是だ。憲法9条第2項の文言について、憲法学者のおよそ7割が自衛隊はこの条項に違反ないし違反する可能性があると解釈している。このままにしておくことこそが立憲主義を空洞化させるものだ」
とたずねると、安倍首相は
「7割の憲法学者が、自衛隊に憲法違反の疑いを持っている状況をなくすべきではないかという考え方もある」
と述べました。
 言うてること、同じやん(笑)。

 それにしても、二人とも、集団的自衛権行使の容認を含む安保法案について、憲法学会では憲法学者9割以上、いや、日本会議関係者の数人以外のほとんどの学者が
「違憲だ」
「立憲主義違反だ」
と言っていたのに通しておいて、今さら、立憲主義がどうだこうだ、7割の学者が云々かんぬんなどと、どの口が言えるのでしょうか。
 


 そして、安倍首相は
「自民党は立党以来、憲法改正を党是としており、そもそも占領時代に作られた憲法で、私たちの手で憲法を書いていくべきだという考え方のもとに草案を発表している。その中では、9条第2項を改正して自衛権を明記し、新たに自衛のための組織の設置を規定している」
とも言っているんですが、自民党の改憲草案の9条関係を見てください。自衛権を明記しているだけじゃありませんよ。
 それに、緊急事態条項と並んでやたら長いんです。

自民党の改憲草案は、この二人が中心になって作りました。

安倍自民党の「日本国憲法改正草案」の恐怖1 緊急事態条項=戒厳令の明記

安倍自民党の「日本国憲法改正草案」の恐怖2 基本的人権規定の内容を削減して極小化し法律で好きに制約



自民党日本国憲法改正草案
第二章 安全保障
第9条(平和主義)
1 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動としての戦争を放棄し、武力による威嚇及び武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては用いない。
2 前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない。
第9条の2(国防軍)
1 我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全を確保するため、内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持する。 
2 国防軍は、前項の規定による任務を遂行する際は、法律の定めるところにより、国会の承認その他の統制に服する。
3 国防軍は、第一項に規定する任務を遂行するための活動のほか、法律の定めるところにより、国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動及び公の秩序を維持し、又は国民の生命若しくは自由を守るための活動を行うことができる。
4 前2項に定めるもののほか、国防軍の組織、統制及び機密の保持に関する事項は、法律で定める。
5 国防軍に属する軍人その他の公務員がその職務の実施に伴う罪又は国防軍の機密に関する罪を犯した場合の裁判を行うため、法律の定めるところにより、国防軍に審判所を置く。この場合においては、被告人が裁判所へ上訴する権利は、保障されなければならない。
第9条の3(領土等の保全等)
 国は、主権と独立を守るため、国民と協力して、領土、領海及び領空を保全し、その資源を確保しなければならない。

安倍自民党の「日本国憲法改正草案」の恐怖3 軍法会議の設置 


 9条2項から戦争放棄も、武力の不保持もなくしてしまっているだけではなく、自衛隊を国防軍にするとしています。
 おまけに、アメリカの戦争に参加できるように、国防軍が
「国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動及び公の秩序を維持し」
と規定されていますし、軍法会議まで規定しています。
  また、安倍首相は、日本国憲法が
「占領時代に作られ、時代にそぐわないものもある」
「国会は発議するだけだ。国民に決めていただくことすらしないのは責任の放棄だ」
というのですが、改正内容は「国会や国民的な議論と理解の深まりの中で定まってくる」などとまた言っていて、どこが良くなくて改正したいのか未だに言いません。
 そもそも、国民は憲法改正なんて積極的に望んでいないのに、発議だけは何とかしたいという方が無責任でしょう。
 ほんとにためにする議論という言い回しがありますが、憲法をとにかく変えたいというだけの、議論のための議論でうんざりします。

安倍首相「憲法改正の項目は国民の議論でおのずと決まる」。でも、国民は改憲自体に関心がありません。

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