2017年1月27日金曜日

170125 山本太郎議員初代表質問(文字起こし)

山本太郎議員初代表質問(文字起こし)

2017年 1月25日山本太郎

https://mootan.jimdo.com

取り急ぎ文字起こししてみました。間違ってたらあとから修正するかもしれませんのであしからず。m(__)m


平成29年1月25日(水)

山本太郎議員 希望の会(自由党・社民党)の代表質問

自由党、共同代表の山本太郎です。

先日安倍総理が施政方針演説で「ただ批判に明け暮れても何も生まれない」とおっしゃりましたので、今日は批判ではなく、政権の今までのお仕事を肯定的に振り返り、褒め殺し気味に、希望の会、自由・社民を代表し総理に質問いたします。よろしくお願いします。

政治の使命は、この国に生きる人々の生命財産を守ること、そう考えます。
安倍総理は誰のための政治を行っていらっしゃいますか?
安倍総理は、きっちりとお仕事をされております。庶民を犠牲にして大企業を儲けさせる。そのご活躍ぶり、歴代の総理大臣を見てもナンバーワンです。
庶民から搾り取った税金で、庶民への再分配は最低限に抑え、真っ先に手当てをするのは、選挙や権力基盤づくりでお世話になった経団連など大企業や資本家、高額納税者へのご恩返し。とことんおいしい減税、補助金メニューを提供、一方で派遣法を改悪し、働く人々をコストとして切り捨てやすくするルール改正などを取り揃える。
おかげで、上場企業はあのバブルの時よりも儲かり、過去最高益。一方で、中小零細企業の解散・休業は過去最高。見ているのは大口の支持者のみ。まさに「大企業ファースト」。これぞ、額に汗を流す政治家の鑑ではないでしょうか。

子どもの貧困問題を人々の善意、基金で解決しようというウルトラCは、「安倍総理が薄情」で、「指導者の器ではない」のではなく、総理はただ「興味がない」だけなんです。
今まで国会やメディアで取り上げられてきた厚労省の【国民生活基礎調査】ではなく、違うデータを持ち出して、総理は「子どもの貧困率が低下した」と演説されました。
持ち出したのは総務省の【全国消費実態調査】。この調査は、非常に面倒な作業を対象者に求めるもので、お金と時間に余裕がある人しかなかなか対応することができず、低所得者層の実態をしっかり反映しづらいという傾向があると言われます。
厚労省の【国民生活基礎調査】では、子どもの貧困率は16.3%。今年最新のものが発表される予定ですが、この調査で、アベノミクス効果により子どもの貧困率がどれぐらい下がるのか、総理の予想値を聞かせていただくとともに、今年、子どもの貧困改善の数値目標をお答えください。

ここ数年、奨学金問題、非常に大きくなってきております。OECDなどの先進国グループの中で、教育にもっとも金を出さない「ドケチ国家」の第2位が日本なんです。
個人消費を引き上げる意味でも、少子化問題を改善する意味でも、奨学金という名のサラ金地獄から対象者を救い出す必要があるのは言うまでもありません。
「新たな奨学金国債を発行して借り換える」「マイナス金利に合わせて過去の有利子奨学金をすべて無利子に転換する」などはもちろんやりません。
なぜ国がサラ金のようなシステムで若い人々を苦しめるのか。
奨学金の利息収入は年間390億円ほど。奨学金の延滞金収入は年間40億円ほど。
これらで金融機関を潤わし、取り立てを行う債権回収会社に対しても手堅い仕事を提供する。若い者たちの未来には投資をしない。
「企業のためだ」「若いうちの苦労は買ってでもしろ」安倍総理の親心ではありませんか!

安倍政権になってからは、正規の雇用は36万人減って、非正規は167万人も増えています。ですが、安倍総理は以前「正規の雇用が増えた」とおっしゃっていました。以前ですね。
確かに【2015年労働力調査】を見てみると、正規では前年比で26万人増えています。まさにこれこそがアベノミクス効果ではないですか?
この正社員26万人のうち25万人は介護・福祉職。介護・福祉職のうち福祉施設介護員は、全産業平均より月々11万円給料が安いんです。
もちろん安倍総理はここにも改革を進めます。月額たった1万円ほど上げるそうです。
現在、労災認定で一番多いのが心の病。
その中で、労災申請、過労自殺のトップが介護・福祉職。
現場の悲鳴は聞こえないふり。細かい中身は見ないでいただきたい。表っかわの数字だけで評価するんです。
これこそがアベノミクスの神髄ではありませんか。

安倍晋三閣下は、行政府の長であるばかりか、立法府の長であるとご本人がご宣言されました。司法の長になられるのも時間の問題ではないでしょうか。
そのためにも現行憲法など守っていられませんし、守りもしません。当然です。不都合な真実、事実を声高に叫ぶ人間は邪魔です。
オリンピックに向けて火事場泥棒的に治安立法を成立させます。
安倍総理。オリンピックを成功させるためには「共謀罪」が必要との趣旨の発言がありました。
「共謀罪」を「テロ等準備罪」と名前を変えるようですが、「テロ等準備罪」の「等」、この「等」とはどういう意味ですか。テロ以外にも適用される余地を残す理由を教えてください。
世界一安全な東京とアピールしておきながら、たった数週間の体育祭を開催するのに、国民を監視し、密告制度で相互監視までさせ、「相談しただけでアウト」という、権力が思想信条の領域にまで足を踏み入れるとんでもない法律が必要な理由は何なんでしょうか。

東電原発事故による放射能汚染水問題について総理にお聞きします。
ブエノスアイレスでのご発言、「汚染水は0.3平方キロメートルの港湾内でブロックされている」これにお間違いはないでしょうか。
海では潮の満ち引き、潮の流れなどがあり、港湾内の水がブロックされること自体があり得ません。8日間で99%、港湾内と港湾外の水は入れ替わります。大量の海水でゆっくりと希釈された結果、港湾外に出た汚染水の数値は低く見えるものの、垂れ流される汚染の総量に変わりはありません。
去年初め、静岡県沼津市の漁港で水揚げされたアオザメから、基準値の7倍ものセシウムが検出されました。汚染水の影響は明らかに海洋生物にも見られますが、みなさん、細かいことは気にしないでいただきたい。総理が「ブロックされている」とおっしゃっているんですから、それを信じようじゃありませんか。
お聞きします。最終的に、東電原発事故の収束費用はトータルでいくらかかるとお考えになりますか。将来、もう一ヵ所で原発の過酷事故が起きた場合、国の経済破たんは免れないと考えますがいかがでしょうか。
日本は火山国であり、地震大国です。それでも原発再稼働を進めて大丈夫だと言えますか。言い切れますか。お答えください。

福島東電原発の収束はその方法もなく、現在ではほぼ不可能。費用も今後桁違いの額になることは容易に想像できます。
事故原発の原因も究明しない。安全基準でたらめ。避難基準適当。原発がなくても電気は余ってますが、原発は再稼働します。海外に売りつけるために再稼働します。プルトニウムを持ち続けるために再稼働します。
三菱、東芝、日立、鹿島建設、大林、大成、竹中、清水、IHI、富士電機、三井住友銀行、UFJなどなどなど、原発に関係する企業のみなさん、安心してください。安倍政権は脱原発など絶対にやりません。安倍政権は税金と電気料金を湯水のように使える発電方法は諦めません。
首都圏直下型地震、30年以内にマグニチュード7で発生する確率約70%。東南海地震・南海地震、30年以内マグニチュード8から9で発生する確率約60%から70%。
日本列島北から南まで50の活火山が24時間体制で監視されていますが、火山噴火予知連絡会、こうおっしゃってる。「すべての噴火が前もってわかるわけではない。我々の予知レベルはそんなもの。」とコメント。火山予測のプロでもほぼ予測不可能だそうです。
自動車事故、医療事故、過失であれば当然処罰されます。しかし原発事故ではいまだ過失で処罰された者は一人もいません。すべては「想定外」という魔法の言葉で逃げるおつもりでしょう。
次の事故が起きたとしても、安倍総理ならもっと上手にごまかせます。みなさん、安倍総理を信じてこのバスに乗り込みましょう。次の停車駅は「地獄の1丁目1番地」です。

今回無理をして批判は避けようと思いましたが、どう考えても無理です。総理、あなたがこの国の総理でいる限り、この国の未来は持ちません。

最後にお伺いします。総理、いつ総理の座から降りていただけるのでしょうか。教えてください。以上を持ちまして私の代表質問を終わります。


★安倍晋三総理大臣の答弁

山本議員にお答えをいたします。

アベノミクスと子どもの貧困率についてのお尋ねがありました。
子どもたちの未来が家庭の経済事情によって左右されることがあってはなりません。経済的にも様々な困難を抱えているひとり親家庭や子どもの多い世帯には、きめ細かな支援が必要です。子どもの貧困対策については、ご指摘の「子供の未来応援基金」の活動のみならず、政府としては、児童扶養手当の多子加算の倍増、子どもの学習支援の充実など、ひとり親や子どもの多いご家庭などへの支援を積極的に行っており、来年度予算においても充実を図っています。総務省の【全国消費実態調査】は、家計の収支などを総合的に把握している調査です。詳細な家計簿を3ヶ月間つけていただくなど、一定のご負担を掛けることは確かですが、所得の低い世帯からも回答をいただいています。低所得者層の実態がどのように推移しているかを把握できるものと考えています。昨年公表された【全国消費実態調査】における子どもの相対的貧困率については、集計開始以来はじめて低下しています。15年前の9.2%から10年前に9.7%と上がり、5年前に9.9%さらに上がったものが今回7.9%と2ポイント改善しています。これはアベノミクスの成果により雇用が大きく増加するなど経済が好転する中で、子育て世帯の方々の収入が増加したことによるものです。【国民生活基礎調査】における子どもの貧困率については、本来精査の上取りまとめる予定であり、それ以前の段階での予想は用意していません。子どもの貧困率については、世帯の資産が評価されないこと、算定の基礎となる所得に現物サービスなどが含まれないことなど、仕様として制約・限界があるため、数値目標とするにはなじまないと考えています。政府としては、子どもの貧困対策に関する大綱に掲げている、貧困率を含む25の指標が全体として改善するよう取り組んでいます。

安倍内閣が進めている施策は、成長と分配の好循環を作り上げていくものです。アベノミクスをさらに加速させ、格差が固定化されず、誰にでもチャンスがあり、がんばれば報われる社会を作り上げてまいります。

奨学金のあり方についてお尋ねがありました。
教育投資は未来への先行投資であります。特に、どんなに貧しい家庭で育っても夢を叶えることが出来るように、誰もが希望すれば進学できる環境を整えなければなりません。このため、これまでも奨学金制度の充実、授業料免除の拡大などに取り組んできたところであります。来年度から低所得世帯の子どもたちにかかる成績基準を実質的に撤廃するとともに、残存適格者を解消し、必要とするすべての学生が無利子の奨学金を受けられるようにすることとしております。また、返還不要の給付型奨学金制度を新たに創設することといたしました。経済的な理由で返還が困難な者に対しては、返還に係る窓口を設置し相談に応じるとともに、従来から返還月額の減額や返還期限の猶予などの対応をしてきたところであります。加えて、返還負担を大幅に軽減する「所得連動返還型奨学金制度」を来年度から導入することとしております。また有利子奨学金の金利についても、現在の低金利の恩恵が行き渡るべく見直しを行い、現在0.01%でありますから、100万円借りて100円であります。非常に低いものとなっております。このような総合的な仕組みにより学生の負担軽減を図っており、「奨学金という名のサラ金地獄」「国がサラ金のようなシステムで若い人を苦しめる」とのご指摘はまったく当たりません。意欲と能力があるにもかかわらず、経済的理由によって進学を断念せざるを得ないということがあってはなりません。高等教育について、家庭の経済状況に関わらず、必要とするすべての子どもが機会を与えられるようにしていきたい。今後とも必要な財源確保をしつつ、しっかりと取り組んでいきます。

国際組織犯罪防止条約の国内担保法についてお尋ねがありました。
東京オリンピック・パラリンピックを安全に開催するためには、国際社会と緊密に連携して、テロ対策に万全を期する必要があります。そのためすでに187の国・地域が締結している国際犯罪防止条約の締結は必要不可欠であります。国内担保法のあり方については現在、犯罪の主体を、一定の犯罪を犯すことを目的とする手段、すなわちテロ組織をはじめとする組織犯罪集団に限定し、準備行為があってはじめて処罰の対象とするなど、一般の方々がその対象となることはあり得ないことがより明確になるよう検討を行っているところであり、ご指摘はまったくこれも当たりません。また、現在政府が検討している「テロ等準備罪」は、テロ等の実行の準備行為があってはじめて処罰の対象となるものであり、これを「共謀罪」と呼ぶのはまったくの誤りであります。

汚染水の影響についてお尋ねがありました。
福島第一原発の港湾内の水は、潮汐の影響等により港湾外の水と一定の入れ替わりがありますが、港湾外の放射性物質濃度は法令で定める基準値に比べて十分低いままとなっています。IAEAからも周辺海域や外洋では放射性物質濃度は上昇しておらず、世界保健機構WHOの飲料水ガイドラインの範囲内にあり、公衆の安全は確保されているとの評価を受けております。私がブエノスアイレスで申し上げたように、汚染水の影響は福島第一原発の港湾内に完全にブロックされており、状況はコントロールされているとの認識に変わりはありません。

原発事故の収束にかかる費用についてお尋ねがありました。
東京電力福島原発事故について、政府および原子力事業者が、いわゆる「安全神話」に陥り、あのような悲惨な事態を招いたことを片時も忘れず、真摯に反省し、その教訓を踏まえていくべきことは当然のことです。二度と事故を起こすようなことがあってはなりません。原発事故の収束、廃炉にかかる所要資金の見通しについては、現時点で最新の情報に基づき、一定の蓋然性を有するものとして8兆円という数字をお示ししたものであり、上張りすることは想定しておりません。これについては、東京電力が徹底した経営改革を進めながら責任をもって負担することとしています。

原発の再稼働についてお尋ねがありました。
原発については高い独立性を有する原子力規制委員会が科学的・技術的に精査し、審査し、世界で最も厳しいレベルの新規制基準に適合すると認めた原発のみ、その判断を尊重し、地元の理解を得ながら再稼働を進めるというのが政府の一貫した方針であります。この新規制基準は福島原発事故の教訓を踏まえ、我が国の地震・火山といった自然条件の厳しさ等も勘案して、十分な対策を要求しており、原子力規制委員会はこの基準に従って、地震や火山による影響についても科学的・技術的に厳格な審査を行い、再稼働に求められる安全性が確保されているかどうかを確認しているものと承知しています。

誰のための政治を行っているのか。そして、私の在任期間についてお尋ねがありました。
総理大臣として、また国会議員として、常に私の頭に、中にあることはただ一つ。国民の負託に応え、結果を出していくことであります。そのことのみであります。

★伊達忠一議長

ただいま理事が協議中でございますので、しばらくお待ちください。

山本君の発言につきましては、速記録を調査の上、議長において適切に対応したいと存じます。これにて質疑は終了いたしました。本日はこれにて散会いたします。


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