2016年12月7日水曜日

161206 政権退陣運動はどこへ向かうのか



政権退陣運動はどこへ向かうのか

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 ・朝鮮日報発「保守政権再創出」のフレームとキャンドルの去就

ホン・ソンマン(ワーカーズ/チャムセサン編集長) 2016.11.15 14:12
朴槿恵(パク・クネ)-崔順実(チェ・スンシル)ゲートは、 とてもよく組まれた脚本と優秀な監督が演出した最もドラマチックな映画より、さらに映画のようだ。 各種の企画説と陰謀説が乱舞するのも事実だ。 朴槿恵政権作り1等功労者である朝鮮日報により始まり、ハンギョレ、京郷、JTBCが支えたことも常識的ではない。 生きた現在の権力である朴槿恵(パク・クネ)大統領と青瓦台を相手として、数えきれない程の内部情報提供者が登場しているのも簡単に理解できない部分だ。 また、今回の事件のスモーキング・ガンとなったJTBCの「崔順実(チェ・スンシル)PC報道」で、崔順実のPCの流入経路が不透明だということも、背後勢力があるという疑いに一役買っている。
だがどんな勢力が企画しようが、背後が誰であれ、今明らかな一つの事実は、ほとんどの状況が朝鮮日報のフレームのとおりに動いているという点だ。 朝鮮日報は、いや、朝鮮日報だけがこの局面を貫く巨大なフレームを持っている。 政治的な意図を隠しもせず、守旧勢力との絶縁による保守の再構成、さらに「保守政権再創出」のためだとはっきり話している。
[出処:ジョンウン記者]

朝鮮日報から始まった崔順実ゲート

朝鮮日報は4.13総選挙の前から青瓦台の専横と親朴の選挙壟断を問題視し続けてきた。 青瓦台と親朴の選挙の混乱に対して連日批判し、保守政治の危機を警告してきた。 結末は予告された通りにセヌリ党の4.13総選挙大敗で終わり、 翌日、朝鮮日報は「朴槿恵大統領と親朴の傲慢に対する国民的審判だ」という題名の社説を送りだした。 このままでは「保守政権再創出」は水泡になり、保守政治の苦難は火を見るように明らかな状況である。 だからだろうか? 朝鮮日報はこの時点から重大な決心をしたようだが、朴槿恵政権でタブー視されていた崔順実というパンドラの箱を開け始めた。 朝鮮日報が崔順実事件を取材し始めたのは、総選挙直後の4月からだったということはすでに知らされた事実だ。
この箱が開かれた最初の運命の日は7月18日だ。 この日、朝鮮日報は新聞紙上で禹柄宇(ウ・ビョンウ)の妻の実家とネクソンの土地買入事件を暴露し、 同日、TV朝鮮で親朴の崔炅煥(チェ・ギョンファン)、ユン・サンヒョン、ヒョン・ギファンの選挙介入の録音を暴露、青瓦台と親朴に対する大攻勢をかけた。 さらに7月26日、TV朝鮮はミル財団の設立に安鍾範(アン・ジョンボム)政策調整首席が介入し、財閥が500億ウォン近い金を出した事実を暴露した。 続いて翌日、TV朝鮮は初めてチャ・ウンテクの名前を上げ、水面下の実力者として拠論する。 また8月2日にはKスポーツ財団を初めて舞台に登場させ、この背後は全く同じ人だと予想した。 事実上、崔順実という名前だけ隠して事件の幹はすべて提示したわけだ。
青瓦台は、朝鮮日報が既得権腐敗勢力だとして猛烈に反発し、逆攻勢に出た。 MBCは8月18日、他社(朝鮮日報)の記者のSNS内容を入手したとし、李碩洙(イ・ソクス)特別監察官による禹柄宇首席監察内容を報道する。 すると青瓦台は李碩洙特別監察官が朝鮮日報の記者に機密を漏洩するなどして国基を乱したとし、 李碩洙監察官と朝鮮日報の記者も押収捜索しろと指示した。 また、親朴の金鎮台(キム・ジンテ)議員は8月29日に朝鮮日報の宋煕永(ソン・ヒヨン)主筆が大宇造船から2億ウォン台の超豪華酒宴の接待を受けたという事実を暴露し、 朝鮮日報を腐敗既得権勢力だと烙印するのに力を貸した。
青瓦台の反撃により朝鮮日報は停滞していたが、1か月後に今度はハンギョレ新聞が動いた。 ハンギョレ新聞は9月20日、「朴槿恵大統領の秘線実力者、崔順実氏がKスポーツ財団設立と運営に深く介入していた情況がわかった」とし 「Kスポーツ財団の理事長に自分が上得意だったスポーツマッサージセンターの院長を付けた」と報道した。 崔順実という名前が朴槿恵政権の秘線実力者疑惑の前面に登場した瞬間だった。 また、9月27日にハンギョレ新聞は、国民感情を刺激した崔順実と娘の鄭ユラが梨花女子大に横車を押した事件を報道し、国民的公憤を集めた。
また、10月になると今度はJTBCがバトンを受け取った。 JTBCは「会長様(崔順実)の趣味は大統領演説文を手直しすること」だというコ・ヨンテの証言を公開する。 これについて国会は10月15日、イ・ウォンジョン大統領秘書室長などを呼び事実関係を問い質したが、 イ室長は「中世時代でもあるまいし」と事実を否定した。
二番目の運命の日の10月24日、JTBCは崔順実タブレットPCを報道し、 崔順実国政壟断の実体をありのままに表わすに至る。 翌25日、TV朝鮮は崔順実の動画を初めて公開し、秘線実力者が崔順実であることを事実上確認させた。

「マスコミvs腐敗権力」

朝鮮日報はまず「青瓦台vs朝鮮日報」の対決構図を作ってはいけないということだ。 青瓦台と一部マスコミの対決や支配層内部の権力争いではなく、「マスコミvs権力」、つまり権力監視というマスコミ本来の役割により、 腐敗した権力との闘争が形成されていると主張した。 その証拠として今回の事件には朝鮮日報だけでなく、崔順実という名前と鄭ユラの梨花女子大カプチル事件を初めて報道したハンギョレ新聞、 崔順実のドイツ法人を報道した京郷新聞、 そして崔順実のPCを入手して特ダネ報道したJTBCなど、 今回の事件は進歩と保守を問わず、すべてのマスコミが争って先に立って崔順実の国政壟断と不正を掘り起こし、暴いたということだ。 これが朝鮮日報の最初のフレームだ。
もちろん間違った話ではない。 だが、朝鮮日報が崔順実の取材を始めたのが4月からなので、すでに6か月以上前から取材してきた。 9月20日にハンギョレ新聞が、Kスポーツ財団は崔順実が設立したという報道をして、初めて紙上で崔順実に言及したより少なくとも2か月も前に、 朝鮮日報はすでに崔順実が背後であることをほのめかしていた。
TV朝鮮のイ・ジンドン社会部長は、メディアオヌルのインタビューで 「7月初めにキム・ジョン次官、国家ブランド、ヌルプム体操を扱った。 そして7月中旬にミル財団、Kスポーツ財団を扱った。 その次に準備していたのが梨花女子大の件だった。 ハイライトは文化隆盛事業だと見た。 多額の予算を崔順実が決め、それが実際に反映されて執行されたためだ。 国家を揺さぶる問題だと見た。 それで後方に配置をした。 最後に崔順実を取り上げようとした」と明らかにした。
青瓦台が攻勢をかけると、朝鮮日報は「青瓦台vs朝鮮日報」というフレームが作られることを恐れたと明らかにした。 それで朝鮮日報は、それから2か月間、禹柄宇やミル財団に関係のある単語にさえ言及せず、自省モードに入った。 だが同時に「言論vs権力」フレームを作るために、他の報道機関に取材ソースを公開し、代わりに動くことを促した。 ハンギョレ新聞が禹柄宇の取材に没頭すると、それは核心ではないと言ってミル財団を取材するよう知らせたりもした。 9月20日の崔順実単独報道以後、ハンギョレ新聞の専任記者は、朝鮮日報がミル財団について初めて報道し、「失われた輪」の物証まで確保しているようだが沈黙しているとし、 公開的に朝鮮日報に報道を薦めた。
また、JTBCが崔順実のPCを報道した10月24日のすぐ翌日に、 TV朝鮮は崔順実の映像を公開することにより、秘線実力者が疑いの余地なく崔順実であることを見せた。 しかし、その動画が撮影されたのは7月中旬であり、何と3か月も待った末に動画を公開した。
この事件の報道が始まった時点の7月から、 朝鮮日報は崔順実ゲートのほとんどすべての幹と内容をすべて把握しており、 その影響がどのように広がるかも予想していた。 他の報道機関と協業をしたが、それさえも「言論vs権力」の構図を作ろうとした朝鮮日報の意図のとおりに進められた。

「2線後退-挙国中立内閣、そして平和」

結局、最も多くの情報と情勢変化と影響について、多くのシミュレーションをした朝鮮日報は、重要な局面ごとに一番機敏な対処をすることになる。 事実上、朴槿恵-崔順実ゲートに関連するすべてのフレームを単独で組み、導いていった。 朝鮮日報は10月24日のJTBCの崔順実PCの報道直後、 10月25日に朴槿恵大統領が公開謝罪したそれから日に「恥ずかしい」という題名の社説をのせた。 いわゆる「朝鮮ガイド」と呼ばれたこの社説で、現在進んでいる政界の対応フレームを提示する。 朴大統領の退陣ではなく、2線後退とセヌリ党からの離党、挙国中立内閣の構成だ。 実に機敏かつ強力な対応と言わざるを得ない。
その後、朝鮮日報はこの枠組みをそのまま維持する。 少なくとも事態を収拾しようとする青瓦台はもちろん、昨日と今日で言うことが異なり、 下野、退陣、弾劾、2線後退などと方向を定められずにふらつく野党に対しても、挙国中立内閣の圧力をかけるに至る。 青瓦台が金秉準(キム・ビョンジュン)総理内定者を指定しても、 朝鮮日報は朴槿恵大統領には総理指名撤回と2線後退の圧力をかけ、 野党には挙国中立内閣を受け入れろと双方すべてに号令をかける。
また、「朴槿恵即時退陣」を要求する街の声に対しては、 国政の空白を埋めて混乱を収拾するためには秩序正しい対応が必要であり、 大統領の2線後退と挙国中立内閣が唯一の収拾方案だと説得した。 そのために街頭の市民と民主党を分断し、街頭の市民と民主労総などの社会団体を分断して、 民主党と社会団体を分断した。 いわゆる「3分戦略」を有効適切に貫徹した。
すでに文在寅(ムン・ジェイン)と民主党に対しては「運動圏政党」という呪文をかけ、場外闘争を計画したり、多少過激な発言をしたり、民主労総などの労働社会団体と連帯しようとすれば、必ず「運動圏政党」というレッテルを付けてきた。 民主党には国会の中での制度的な役割以上はできないように強力な呪文をかけたのだ。 また、民主労総などのいわゆる「組織隊伍」に対しては、暴力的な「既得権集団(労組)」と規定し、 朴槿恵退陣を熱望して街に出てきた市民との分断を確立することにも成功した。 朝鮮日報は、常に「秩序」と「平和デモ」、「市民意識」を強調することにより、 街頭の動きが急進化することを防ぎ、社会運動勢力が先行することを封鎖して、 市民と結合することを防いだ。 その結果、朴槿恵退陣運動を街頭の文化祭に変えてしまい、 退陣ではなく2線後退に留まらせようと圧迫する手段以上に発展しないよう、キャンドル集会の政治的性格を制限した。 100万人が退陣デモに出ても、警察庁長官が感謝の言葉を言うような事になったのだ。 このように、朝鮮日報は街に出てきた大衆までをも管理し、統制できる範囲内で調節することに全力を傾けてきた。
もし挙国中立内閣が成立して大統領が2線に後退すれば、朝鮮日報にとってキャンドル集会はそれ自体が無意味になる。 そうなると国政を安定させるために「平和に」デモをするのではなく、「家に帰れ」と言い始めるだろう。 それでも話を聞かなければ、「組織隊伍」によって扇動された国政紊乱勢力の不法デモだと罵倒して追い詰めるだろう。 民主党がキャンドルに参加すれば、もう民主党のような「運動圏政党」は信頼できないとし、国政にも参加するなと扇動するだろう。 平和な100万キャンドルは、大統領2線後退の圧力をかけるために最も有効な手段だったにすぎない。

「保守の再構成と政権の再創出」

ではなぜ朝鮮日報は、初めからこうした陣形を作り、朴槿恵政権をここまで窮地に追い詰めたのか? 先立って朝鮮日報は、自分の政治的意図を隠さないといった。 目的はただ一つだ。 保守政権を再創出しなければならないが、今のセヌリ党と親朴、朴槿恵政権では都合が悪いからだ。
100万民衆総決起の一日前の11月11日、朝鮮日報は論説委員コラムで次のように主張するに至る。 「保守が国を崖っぷちに立たせた勢力と同一視されることを防がなければならない。 保守全体の没落を防ぐためには、守旧と本当の意味の保守が区別され、離れなければならないのだ。 絶縁により、大韓民国の保守を新しく定立しなければならない時点だ。」 (〈にせ物保守との決別〉、朝鮮日報、11月11日付)
朝鮮日報はデスクコラムで、保守全体の共倒れを防ぐためには、守旧勢力と絶縁して新しい保守を確立しようという。 これを通じて、不可能に見えた「保守政権再創出」という目標にさらに一歩近付こうということだ。 オボイ連合やイルベのような守旧勢力との断絶、維新残党勢力との分離、そして北朝鮮または東北アジア関係の再編による新しい東北アジア時代を開くと整理することもできるだろう。 いわゆる合理的な保守勢力の形成と糾合を試みている。
皮肉にも、韓国社会においてそれなりに相対的に合理的な保守は財閥だ。 政治的に南北間軍事的対立を続け、東北アジアの緊張を強化するのは大資本の立場と相反するほかはない。 突然予告もなく開城工業団地を閉鎖して、昨日の話と違い今日はTHAAD配置を発表することにより対中国関係を緊張させる政府に対し、 財閥自らが危機意識を持つに十分な状況だ。 その点で、最近マスコミを通じて流れた李明博(イ・ミョンバク)前大統領が「次の政権は自分の手で作る」といったという言葉は当たり前には聞こえない。 また4次産業革命と東北アジア時代を連呼して「第3の開国論」を語る洪錫炫(ホン・ソッキョン)中央日報会長の動きも尋常ではなさそうだ。 その点で、彼らは市場親和的で、李明博式に表現すればビジネスフレンドリーに、 手順を踏んだ民主主義に合理性を付与する保守に再構成しようとしているのだ。 少し乱暴に言えば、前近代的ヘル朝鮮から現代的ヘル朝鮮への変化を追求する勢力を再構成しているといえよう。
これを考慮すれば、朝鮮日報が話す「秩序正しい退陣」のすべての過程は、保守の再構成と関連がある。 朴槿恵の即時退陣による早期大統領選挙とそれによる混乱も混乱だが、 保守を糾合し、再構成する時間を持てないために、朴槿恵の即時退陣は困るのだ。 朝鮮日報が提示した通り、2線への後退と挙国内閣が受け入れられれば、すぐに挙国中立内閣の構成、改憲の議論、大統領選挙などの過程で保守勢力を再構成し、 これを通じて政権再創出まで押し通す公算が大きい。 挙国内閣の構成にセヌリ党や親朴勢力を認定するかどうか、改憲の内容による理念の再確立、政党の構成(または党統合)と候補推戴の過程まで、 政局の主導権を維持したまま一糸不乱にこれを達成しようとするだろう。

なにもできない無能な野党

このように、朝鮮日報のフレームは明らかだ。 まず、今回の事件はマスコミ対権力の戦いとして、腐敗した政権に対抗してマスコミが忠実に権力監視という本来の役割を果たしたという点、 次に、現在の事態は朴槿恵の2線後退と挙国内閣の成立で政局を安定させ、 平和なデモによって圧力をかけなければならないという点、 三つ目に守旧勢力との決別、清算による保守の再構成だ。 こうした一連の計画は、4月の総選挙以後、次の大統領選挙で保守政権を再創出する可能性が明確に遠ざかったことに対する不安感が反映された果敢な決断だといえる。
今、問題は、今回の事態の背後にどんな勢力がかくれているのかという点ではなく、 朝鮮日報の他にどんなマスコミ、どんな勢力も、現在の事態に対する「秩序正しい対応」が出来ないという事実だ。 最低6か月の取材の結果、崔順実に関する大部分の事実を把握していた朝鮮日報とのフレームの戦いは、決して容易ではないだろう。 容易ではないことは明らかだが、どうすればよいのかわからずにあたふたする勢力が、まさに民主党をはじめとする野党だ。
野党は初めから混乱に混乱を繰り返した。 自分が主導した政局でもないのに、逆風が吹くかと戦々恐々として下野や退陣を要求するわけでもなく、 挙国中立内閣と言い始めても青瓦台がこれを受け入れたことで、 むしろこの言葉を撤回することに悩まなければならなかった。 あれでもなくこれでもないというスタンスを持つ続けていた。 昨日は大統領との党首会談を話し、今日になると市民団体と非常時局機構を構成するという。
最大のミスは、崔順実ゲートの共犯そのものであるセヌリ党を政治パートナーと認定した点だ。 11月14日、与野は特検に合意する。 10月24日以来初の与党野党合意だが、問題はこの合意の主体がセヌリ党であるという点だ。 朴槿恵-崔順実ゲートの反逆者としての責任を問題にするだけでも不十分な状況で、 今後の挙国中立内閣にこうした政党が参加するのを防ぐことができなくなった。 野党、特に民主党は、言葉では秩序正しい退陣、段階的退陣を語りつつ、結局は何もせずに現状態を維持することだけに汲々としているにすぎない。

退陣できなければ利用される局面、退陣を貫徹せよ

囲碁の格言に「有家無家は不相戦」という言葉がある。 二つの眼があり生きている石と、眼がない石は戦いにならないということだ。 つまり、眼がない側が必ず負けるという言葉だ。 朝鮮日報は、すべての重要な情報を持ってフレームを組んできたし、現局面に対応している。 だが他の勢力はただオウムのように朴槿恵退陣を叫ぶだけであり、 さらに多くの人を広場に集めることで現在の状況に対応している。
1500の団体で構成された非常国民行動も、100万キャンドル集会を成功させたものの、いかなる政治的な主導力も得られなかった。 朴槿恵下野が不透明な状況で、下野と退陣を貫徹するための行動に集中するしかなく、 何よりもさらに多くの大衆を広場に集めることに目標をおいた。 自ら退陣しなければ、どのようにして退陣させられるのか、 退陣後には何をすべきなのかについての大衆的な共有もすることができなかった。 結局、朝鮮日報がコントロールする「平和デモ-文化-祭り-市民意識」のフレームに閉じ込められることになった。
87年の6月抗争は、全斗煥(チョン・ドゥファン)軍事独裁に対抗して大統領を直接選挙で選ぶ改憲を勝ち取り、その後の労働者大闘争という新しい局面を切り開いた。 しかし今は朝鮮日報という保守新聞が「保守政権の創出」を目標として情勢を主導している状況だ。 朴槿恵の2線への後退と挙国中立内閣という迅速な収拾方案、 「組織隊伍」と市民の分断、「運動圏政党」という批判で民主党の足を縛って「平和デモ」と「市民意識」を語りキャンドル集会の急進化を防ぎ、大統領退陣を威嚇しないように管理してきた。 こうした朝鮮日報の手の通りに石を置けば、その結果はまさに「保守政権の再創出」に帰結するしかない。
[出処:キム・ヨンウク記者]
こうした老練なフレームを克服するためにできることはただひとつだ。 この構図を破ることは、予想できない全く違う新しい勢力が登場して局面をひっくり返したり、統制されて管理されるものと信じていた状況が、彼らの統制から抜け出す場合だけだ。 87年の労働者大闘争と同じように、今年の11月抗争以後、どんな勢力が局面をひっくり返して登場するのか、まだ誰にもわからない。 だから今、われわれにできることは、朴槿恵大統領の無条件の即時退陣を貫徹すること、 大統領の退陣に対する大衆的な決起を確認し、実行することだけだ。 挙国中立内閣が政界に受け入れられても、大統領が2線に後退しても、これを拒否して退陣を主張し続けること以外の方法はないように見られる。 朝鮮日報のすべての構想は、朴槿恵の即時辞任はだめだという前提で組まれているためであり、 逆に労働者民衆、市民のすべての前提は朴槿恵の即時辞任から始まるためだ。
また今、非常国民行動に集まっている市民社会団体は、退陣以後に何をすべきなのかの政治的目標を提示して、これを大衆と共有しなければならない。 いくら多くの人が広場に出てきて、いくら多くの石を碁盤においても、 自分のフレームがない集団、二眼を空けられない石は、活用されて消えるだけだ。 挙国中立内閣構成について政界と交渉するのではないのなら、退陣以後の政治的目標についても整理して作り出さなければならない。
何よりも、今は辞任させられなければ利用されるといった局面だ。 朝鮮日報は、彼らが作った朴槿恵政権とセヌリ党を捨ててまでも、 保守政権再創出のために持ってきた「苦肉の計」を今は私たちが越える時だ。 100万人が広場に出てくることがこの局面での共通の目標だとすれば、今は次の段階に進むべき時だ。 不正な勢力を一つにまとめる連環計も成功したとすれば、 今や残る方策は東南風が火を燃やして火攻を展開することだろう。
翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可( 仮訳 )に従います。

Created byStaff. Created on 2016-11-18 05:32:32 / Last modified on 2016-11-18 05:32:34 Copyright: Default

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