2016年10月10日月曜日

161010毎日新聞<南スーダンPKO>稲田防衛相、厳戒の視察 滞在7時間

<南スーダンPKO>稲田防衛相、厳戒の視察 滞在7時間
毎日新聞 10月10日 7時30分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161010-00000002-mai-pol

 【ジュバ村尾哲】稲田朋美防衛相が8日、国連平和維持活動(PKO)に参加する陸上自衛隊施設部隊の活動状況を視察するため、南スーダンの首都ジュバを訪れた。現地の政府高官や国連南スーダン派遣団(UNMISS)幹部は首都の治安が改善していることを訴え、インフラ整備に対する日本の支援に期待感を表明。武力衝突が起きた7月以降、自衛隊が控えていた国連施設外での活動再開に向けた調整も進んでいる。

 南スーダンでは7月、大統領派と当時の第1副大統領派の武力衝突が起き、日本の国際協力機構(JICA)の職員らが国外へ退避した。政府は11月に派遣する交代部隊に対し、安全保障関連法に基づいて「駆け付け警護」と「宿営地の共同防護」の新任務を付与すべきか検討しており、現地視察はその判断材料となる。稲田氏の滞在時間は約7時間に限られ、安全確保に万全を期すためとして報道関係者の同行も4人に限っての代表取材となった。

 稲田氏や同行者は自衛隊の防弾仕様の四輪駆動車に分乗し、ジュバ市内を移動。さらに、自動小銃を構えた南スーダン政府軍兵士約10人が乗るトラック2台が車列の前後について警戒した。ヤウヤウ副国防相との会談には、道路橋梁(きょうりょう)担当相や農水相ら5閣僚が同席し、日本によるインフラ整備支援を求めた。南スーダン側の要請で急きょ、JICAと日本企業が7月に退避したため中断している橋の建設現場の視察も日程に加わった。同行筋は「南スーダン政府は大型案件である橋の工事を日本に再開してほしいとの思いが強い。厳重な警備も安全面は大丈夫と言いたいのだろう」と解説した。

 こうした中、国連側は自衛隊による国連施設外の活動再開を非公式に打診しているという。治安が安定していた7月以前は、ジュバ市郊外でも自衛隊は活動していた。11月に派遣される交代部隊に駆け付け警護の任務が付与され、国連施設の外で活動することになれば、施設内だけの活動に比べ、他国の部隊や非政府組織(NGO)関係者の救援に当たる可能性が格段に高まることは確実だ。

 だが、今回の視察で稲田氏はジュバ市郊外に足を運ぶことはなかった。また、橋の視察が組み込まれた影響で自衛隊宿営地での視察時間が短縮され、隊員との昼食や訓示などの日程を慌ただしくこなした。日程の最後には、自衛隊が国連施設内で避難民向けの退避壕(ごう)を整備している現場を5分ほど視察。稲田氏は視察後、記者団に「きょう見たのはジュバ市内だが」と断ったうえで、「落ち着いていると目で見ることができた。意義があった」と強調し、再び厳重な警備の下、空港に向かった。

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