「憲法 まだ死んでない」 元SEALDs創設メンバーが語る安保法成立1年
国会前で大規模抗議集会
http://www.kanaloco.jp/sp/article/200349
公開:2016/09/19 20:49 更新:2016/09/19 21:33
神奈川新聞
多くの反対意見や違憲との指摘を受けつつも強行採決された安全保障関連法。19日で成立から丸1年を迎えた。東京・千代田区の国会前周辺では大規模な抗議行動が行われ、元SEALDsの創設メンバー、林田光弘さん(24)=横浜市=が登壇し、「この国の憲法はまだ死んでいない」と訴えた。発言全文を紹介する。
安全保障関連法の成立から丸1年、国会前で行われた大規模抗議集会で登壇し「嘆くのは早過ぎる!一度だって諦めたことはない」と話す元SEALDsの林田光弘さん=2016年9月19日、東京・千代田区
「自由と民主主義」守るために
安全保障関連法の強行採決から1年がたったきょう、(主催団体の)総がかり(行動実行委員会)の皆さんを始め、市民が作り上げた、この国会前行動にお招きいただいたこと大変うれしく思います。1年間、日本国憲法にある「不断の努力」を行い続けた皆さんの行動一つ一つに、心から敬意を表します。
SEALDsは8月15日を持って解散しました。結成から解散に至るまで、多くの方々に支えていただきました。この場を借りてあらためて感謝申し上げます。
私たちは、個人の集合体としてSEALDsを作りました。そして、SEALDsのメンバーとして行動する中でも、わたし個人の思いを最も尊重しながら行動しました。SEALDsという集合体はなくなりましたが、自由と民主主義を守るために、それぞれの現場で、私たちは行動を続けています。
安全保障関連法の成立から丸1年、国会前で行われた大規模抗議集会の参加者ら=2016年9月19日、東京・千代田区
重ねる「詭弁(きべん)」と「ずさん」
さて、強行採決からのこの1年間を振り返りたいと思います。採決後、安倍首相は「国民の理解を得られるよう説明を続けていく」と約束されていました。これまで違憲であった集団的自衛権の行使容認の根拠は、いまだに私たち市民に、国民に説明されてません。
法律を作る理由としていた「日米関係の強化による抑止力の向上」も、機能するどころか、むしろ東アジアの状況は悪化しています。違憲の立法を違憲のまま押し通し、憲法をないがしろにしたこと。法を作ることによって抑止力が高まるという詭弁。これは改めて、政府の説明責任を追及しなければなりません。
残念ながら、政府は説明責任を果たすことなく、具体的にこの法律の運用を始めています。国連平和維持活動(PKO)での「駆け付け警護」のための訓練も始まりました。駆けつけ警護による自衛隊のリスクは十分に議論されていません。
安全保障関連法の成立から丸1年、国会前で行われた大規模抗議集会で登壇し「嘆くのは早過ぎる!一度だって諦めたことはない」と話す元SEALDsの林田光弘さん=2016年9月19日、東京・千代田区
戦場という生死の境目に立たされる自衛官の命を奪われるリスク、命を奪うリスク、その両方に対して、現政権の対応はあまりに杜撰(ずさん)です。
このままでは現場の自衛官が無責任な政府のもと、危険な目に遭うことなります。この法案について考えることは言うまでもなく、一つの「いのち」について考えることです。向き合うことです。
具体的な細かい議論も当然重要です。しかし、私たちが忘れてはいけないのは、この法律が違憲であるということです。違憲の法律は違憲なのであり、具体的な議論の前に見直すべきは、違憲のまま放置されているこの現状についてです。
憲法は私たちのこの国の根幹です。憲法が定めた不戦の誓いを生かしながら、私たちがどうやって平和を守るのか、築くのか、改めて考えていきましょう。「武力ではなく、対話による安全保障」とは、具体的にどのようなものか。包括的に議論して提案していきましょう。そうすれば東アジアに対する外交や安全保障のいまの現状は、大きく方向性が変わっていくはずです。
さて、民進党に新たなリーダーが選ばれました。野党共闘は安全保障関連法に、そして安倍政権にNOを突きつけるための重要なものです。民進党には野党共闘を引き続き維持していただきたいと思います。
安全保障関連法の成立から丸1年、国会前で行われた大規模抗議集会で登壇し、手を握り合う野党幹部ら=2016年9月19日、東京・千代田区
「1度だって諦めていない」
私は、市民が現状に嘆くには、早すぎると思っています。私たちにはここに集まった皆さんのように、共に立ち上がる仲間がいます。そして何よりこの国の憲法はまだ死んでいない。
私たちは憲法を生かすことで闘えます。路上にでて意思を示しましょう。1票を行使しましょう。思考停止に至ることなく考え続けましょう。野党共闘を推し進めましょう。私たちはまだ1度だって諦めていない。何度だって言いましょう。終わってるならまた始めればいい。
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