森友学園問題・衆院外務委員会
産経が詳細を書き起こし
出演:民進党福島伸享・安倍晋三首相・佐川宣寿理財局長
http://www.sankei.com/smp/premium/news/170317/prm1703170008-s1.html
産経ニュース
安倍晋三首相「妻個人の寄付もない」
森友学園問題・衆院外務委員会詳報(上) 2017.3.17 20:53
ツイートする いいね! LINEで送る
衆院外務委員会で、民進党の福島伸享氏の森友学園問題の質問に答弁する財務省の佐川宣寿理財局長(中央)。左は安倍晋三首相、右は稲田朋美防衛相=17日午後、衆院第15委員室(斎藤良雄撮影)
衆院外務委員会で、民進党の福島伸享氏の森友学園問題の質問に答弁する財務省の佐川宣寿理財局長(中央)。左は安倍晋三首相、右は稲田朋美防衛相=17日午後、衆院第15委員室(斎藤良雄撮影)
安倍晋三首相は17日、衆院外務委員会に出席した。民進党の福島伸享氏は、約35分の質問時間のうち、約30分を学校法人「森友学園」をめぐる問題に充てた。森友学園に関する質疑の詳細は以下の通り。
◇
福島伸享氏「(前略)19日から総理はドイツ、フランス、イタリアなどの訪問にいらっしゃると聞いている。フランスでは大統領選、一時有力とされていたフィヨン元首相が勤務実体のない奥さんや子供に給料を払っていたということで、トップランナーだったのがだいぶ落ちてしまった。お隣の韓国の朴槿恵前大統領の問題を持ち出すまでもなく、どこの国でも政治家の公私混同の問題は非常に国民の目が厳しい。一点の曇りがないことを明らかにしなければ、国際的な場に出ても信頼を得ることができないと思っている」
福島氏「森友学園の小学校設置をめぐっても、さまざまな情報がメディアで飛び交っている。こんなもんでいいのかなと思っているが、多くの国民は、なぜあのような不思議な国有地の取引がなされたのか。疑惑の目がこの1カ月消えることがない」
福島氏「そして昨日(16日)、新たな事実が出てきた。昨日の参院予算委員会の現地調査で、籠池泰典氏は、平成27年9月に昭恵総理夫人が私どもの方の講演に来られて、9月5日だと思うが、そのときに、どうぞこれをお使いください、すいませんが、お使いくださいと。どなたからですか? 安倍晋三からです、とおっしゃっていた。そこで参議院の委員がいくらですかと聞いたら、100万円。こういうやりとりがあった」
福島氏「事実かどうかは今から確認させてもらうが、昨日の菅(義偉)官房長官は、総理に確認したところ、総理は自分では寄付していない、昭恵夫人、事務所など第三者を通じても寄付していないとのことでした。証人喚問に総理は出てくるんですか? そうじゃないでしょ。くだらないヤジはやめてください。改めて総理ご自身の認識を問いたい」
安倍晋三首相「かつてお断りをしたにもかかわらず、安倍晋三小学校という名前が勝手に使われてまして、寄付集めがされていたときもそうだったんですが、今回も一方的に名前が出され、私は大変、当惑をいたしております。私自身かねてから国会で答弁している通り、籠池氏とは1対1などでお目にかかったことはなく、これは何回も答弁している通りでありまして、個人的な関係はないわけでございます」
首相「そうした方にこれだけ多額の寄付を私自身が行うことはあり得ない話でございまして、また妻や事務所など第三者を通じても行ってはおりません。私の妻はかつて名誉校長となっていたこともありますので、念のため妻にも確認を取りましたが、領収書などの記録はなく、妻個人としても寄付は行っていないということでございましたので申し上げておきます」
首相「これも念のために付け加えておきますが、これまで何度も申し上げている通り、今まさに議論となっているのは国有地売却や学校認可についてでありまして、国有地売却や学校認可について私も妻も事務所も全く関与していないということは再三申し上げてきている通り。それは明確に改めて申し上げておきたいと思います」
福島氏「籠池理事長は証拠もあるとおっしゃっている。偽証罪に問われる可能性もある証人喚問の場にも出てくるということなので、それなりの事実を持って覚悟を持って来られるのでは。先ほどヤフーニュースで、最近、話題沸騰している著述家の菅野(完)さんという人が、物証の現物を入手したという報道が流れている。その写真で、平成27年9月7日、昭恵さんが講演した2日後に、淀川新北野郵便局から100万円を学校法人森友学園に振り込んでいて。その森友学園の入金元のところは修正液で消されていて、安倍晋三と書かれているというのが載っている」
福島氏「菅野さんという人物は籠池氏側に立って情報を流しているように見えるので、にわかに信じがたい話ですし、当然この報道は慎重に注意していかなければいけない。ただ、証人喚問で籠池さんも来られるので、そこでもわれわれはお聞きする必要があると思うが、ただこの問題、次から次へといろいろな新しい資料が出てきて。例えば稲田(朋美防衛)大臣だって答弁を修正している。今度のこの件は答弁の修正はきかない問題だと思っている。総理も同じだと思う。ですから、こうした報道が出ていることも含めて、万全に万全を重ねて、もう一度調査をする必要があると思うが、いかがか」
首相「新たな証拠といわれる物が、これが福島委員は事実だということで質問されているのですか」
福島氏「そんなこと言っていない。ただそういう報道がいっぱい出たことに困りませんか」
首相「それが、あの、えー、私自身も承知おりませんので、お答えのしようがないということでございますが、ないものはないと答弁させていただいている通りでございます」
福島氏「念のためもう一度、確認させてもらうが、2月28日の参院予算委員会で安倍総理は、寄付金集めにも全く関わっていないということははっきりと申し上げたい、とおっしゃっているが、この答弁、維持するということでよろしいですね」
首相「まず冒頭、誤解を招かないように、福島委員が引用されたのは私の答弁の一部であることを申し上げなければならない。そこで2月28日の御党の小川勝也委員への私の答弁を正確に読み上げておかなければいけないと思います」
首相「私が小学校に名前をつけるのを既にお断りをしているわけでございまして、お断りをしていることにつきましては先ほど申し上げた通りでございます。妻も私も今回の売買には全く関わっていないわけでありますし、また寄付金集めにも全く関わっていないということははっきりと申し上げたいと思います。こう申し上げているわけであります」
首相「また福島委員から2月17日の予算委員会において、振込用紙を示されたわけでございまして。ですから振込用紙を示されて、教えていただいたと記憶しておりますが、安倍晋三記念小学校という名前が、私がかつてお断りをしたにもかかわらず、勝手に使われ寄付集めがされたというご指摘があったことに対して、私はそういう寄付集めにかかわっていないと申し上げたものであり、それはこれまで答弁した通りであります」
首相「いずれにせよ、私は寄付を行っておらず、妻個人としても寄付を行っていないことであったということは既に説明した通りでございます。その上にかつ申し上げれば、先ほどの紹介をしていただいた答弁は、安倍晋三記念小学校という名前が使われていて、こういう名前が使われているけど、あなたは寄付集めにかかわっていますか、と言われましたから、この安倍晋三記念小学校ということにかかわって寄付集めはしていないというラインでお答えをさせていただいております」
首相「いずれにしろ、繰り返しになりますが、私も妻も寄付を行っていないということであります。答弁としては先ほどの答弁、申し上げましたように、福島委員から振込用紙を示されてこうした形で寄付集めを行っているのですかと問われましたので、それはそんなことはない、このように申し上げている通りであります。繰り返しになりますが、私は寄付を行っておらず、また妻個人としても寄付を行っていないということでございます」
福島氏「今後、新たな事実が出ないということを信じたいと思いますが、いずれにしても23日に証人喚問がありますので、そちらで両方の言い分を聞きながら事実を確認していきたいと思っている。ただ私はこれは非常に、参院の委員会のメンバーの与野党の前で、籠池さんがおっしゃったことは非常に重いと思う。どこかのマスコミのリークではない。ですから…いやいや、ちゃんと聞いてください。ですから、先日総理は訴訟をやるのは総理の立場として、行政府の長として行うべきでないとか、そうしたことに膨大な時間を割くべきではないとおっしゃったが、そうしたことは一切この件についても考えないということでよろしいのか」
首相「私は今ここに内閣総理大臣として立っておりまして、総理大臣として答弁しているわけでございます。そこで籠池氏の発言と私の発言を全く同列にされているわけでございますが、私はそもそも総理大臣としての職務があるわけでございまして、総理大臣としての職務を遂行していかなければならない立場でございます。ですから昨日も米国のティラーソン国務長官が来日して、まさに北朝鮮の情勢が緊迫をしている中において、国務長官と会談を行わなければならない。国務長官と会談を行う場合、相当時間をかけて準備をするわけでございます。そして明後日からはドイツ、フランス、イタリア、さらにはブリュッセルにも出張する予定でございまして、そうしたための相当の準備もしなければならない。その後もさまざまな内政の課題もあるのでございます」
首相「そうしたさまざまな課題に対して私は全力で集中していくべきだということでありまして。そこでこの問題について訴訟を起こせば相当の時間を割くことになるのはご承知の通りでございまして。先般申し上げた通り、御党の元総理大臣からですね、名誉毀損(きそん)で訴えられたわけでございますが、総理大臣は出廷するいとまがないわけでございまして。出廷するいとまない以上、相当書面でちゃんと整えなければいけないわけでございます。それは地裁、高裁、最高裁と延々と続く中においては、最終的には菅直人氏に完全に事実認定で勝利したわけでありますが、相当私も時間を取られた。これは、こうしたことを私は行うべきでないということでございます」
首相「福島さんが、私が言っていることよりも籠池さんのことを信じる、あるいは出てきた何かネットに載った人物の出してきたものを信じるということであれば、これはしようがないわけでありますから。それは違うということを今、私は申し上げている」
福島氏「何をわけのわからないことを言ってるんですか。誰も籠池さんの言うことを信じるなんて言ってないじゃないですか。言ってないですよ、そんなことは。ちゃんと事実を明らかにしないと、これだけこの問題ね、1カ月間、世論が、疑わしいんじゃないか、と言っていることを明らかにする責務は、政府の側にあると思いますし、その一番トップである安倍総理自身の問題がさまざま提起されているわけですから、それを晴らす役割は総理が果たすべきだと思いますよ。私は全然、誰の立場に立って言っているのではありません。真実を明らかにしたいだけです」
福島氏「特に、この問題は、国民の財産である国有財産が、役人出身の私から見ても、普通では役所ではありえないことを、いっぱいつなぎあわせてやっているんですよ。何かの力が働いていると疑わざるを得ない、そうしたいろんな状況も出てきているわけです。だからこそ、それをしっかり明らかにして、その他の国政の問題をこうした委員会で議論するには、一刻も早く皆さん方が誠意を持った対応をすることが必要である、ということを申し述べたいと思います」
福島氏「同じような、おかしなことはいくつかあるんですよ。籠池理事長が…これも別に信じるわけじゃないですよ、相手が言っていることについてどう思うかというのを聞いているわけですから。籠池理事長は幼稚園の修了式で、2月8日に事件が勃発してから財務省の方から、身を隠してください、といわれて、ああそうなのか、僕は悪いことはしていないんだけどもそれだったら隠そうかと、10日間、雲隠れしたという発言をしている音声がテレビで流されております」
福島氏「3月15日、衆院財金(委員会)で、初鹿議員に対して、佐川理財局長は、財務省として隠れてくれなどと言った事実はありません、と言っております。まあ、あの籠池理事長はですね、財務省の理財局のシマダさんという人から電話があったと具体的な名前を出しておっしゃっておりますけども、佐川局長の部下に、シマダさんという方いらっしゃいますか」
財務省・佐川宣寿理財局長「お答え申し上げます。まず、その籠池理事長の、雲隠れしてくれ、といったような発言がテレビで流れたという報道の話について、まず、きちんと説明をさせていただきたいという風に思います。まず、報道されているような事実はございません。それから、私、森友学園の顧問弁護士でありましたその方とは面識もございませんし、話もしたこともございません」
佐川理財局長「なおかつ、3月15日に、森友学園の弁護士をされていた方が、報道各社に対し『本日、菅野氏の報道各社に対する発言において、籠池理事長夫妻から聞いた話として、財務省の佐川理財局長から、しばらく身を隠してはどうかということを代理人弁護士を通じて言われた、という趣旨の話があったようですが、事実誤認でありますので、その旨お伝えいたします。佐川理財局長と面識もありませんし、話をしたこともありません。なおかつ、また、財務省の他の方からもそのようなことを言われたことはありません』という風に公表されたことを承知でございます」
佐川理財局長「なお、最後のご質問であります、部下にシマダというものがおるかといわれれば、シマダという者はございます」
福島氏「どういう分野を担当されている方ですか」
佐川理財局長「理財局の中で国有財産の部局にいる課長補佐でございます」
福島氏「だからもう、個別名が出たらそれはもう、ドンピシャじゃないですか。だって分かるわけないじゃないですか、向こうが。分かるわけないじゃない。いや、そのシマダさんっていうのは、隠れてくれとか言った言わないはそれ、いいですよ。何らかこの国会で、こうした問題が明らかになった後に、このシマダさんという方は、籠池さんの弁護士なり、籠池さん本人と連絡をとっているという事実はありますか」
佐川理財局長「お答え申し上げます。私ども、学校法人森友学園は売買契約の相手方でございます。従いまして、近畿財務局としてもですね、基本的に学校法人森友とはずっと連絡をとって協議をしてございます。当然のことながら、理財局の補佐としても、そういうことをやることもあろうかと思いますが、いずれにしてもそれは事務的な連絡をするということはあると思います」
福島氏「土地の取引のことは近畿財務局だと思いますけども、本省から行くというのは、どういうことで連絡をしているんでしょうか」
佐川理財局長「お答え申し上げます。基本的にはすべて近畿財務局でやってございます。ただ、本省と近畿財務局の間でも、さまざまなご連絡をさせていただいてございます。そういう中で、例えば報道ぶりが、例えばこの2月以降、いろいろ出てございますので、その報道に対する確認等につきましては、それは週末等、本省のほうから先方に電話をするということもございます。いずれにしましても、基本的には近畿財務局のほうで連絡をとっているということでございます」
福島氏「報道等にあったことの事実確認とかで、本省の人が確認しているということはある、ってそういうことですよね、事実としてはね。ということだと私は今、受け止めました。まあ、どういうやりとりがあったかというのは、さまざまこれからですね、議論していく必要があるかと思いますけども、籠池さんの側と、財務省の本省が、この間、さまざまなやりとりをしているということを1つ、確認しておきたいと思ってるんです」
©2017 The Sankei Shimbun & SANKEI DIGITAL All rights reserved.