【記者の 視点】 「戒厳令」の 沖縄から 日本の 将来への 警鐘
ヘリパッド建設予定地に続く出入り口を挟んで、県道を歩いた。機動隊員や私服の警察官を数えていくと、わずか100メートルほどの距離で約500人になった。一帯は制服の青一色。「戒厳令」という言葉が頭に浮かんで離れない。
22日午前9時半を回り、抗議の市民約200人の大半は100メートルの規制線の外に出されていた。さっきまでの怒声、悲鳴が消え、準備作業だけが粛々と進む。
わずかに居残り、車のレッカー移動の根拠を追及した男性が、機動隊員に問答無用で排除された。私たちマスコミも何度も出されかけた。取材中だと説明して残れたが、誰がこの場にいて良くて誰が駄目なのか、全ては県警が決めた。「彼らが勝手にルールを作っている。本土ではあり得ない」。国会前のデモを見守ってきた弁護士は言った。
人口約140人の東村高江の集落を圧倒的な数の機動隊員で取り囲み、封鎖する。本土でこんなことが起きないことを、県民は肌感覚で知っている。それは政府による沖縄差別だ。
別の男性はこう言った。「日本人よー。早く気付かないと同じ目に遭うよ」今は沖縄でだけ起きていることが、本土で再現される予感が拭えない。安倍政権が目指す憲法の緊急事態条項新設も、戒厳令と同じように権限集中と人権侵害を生む。高江の戒厳令状態は、日本の将来への警鐘だ。沖縄だけでなく、全国で危機感を共有してほしい。(北部報道部・阿部岳)
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