毎日新聞 6月11日大阪版
首相遊説で改憲語らず
社説安倍首相の手法
2013年三本の矢→特定秘密保護法
2014年景気回復、この道しかない→安保関連法
2016年増税延期は新しい判断→改憲?
学食で懇談する安倍首相
<安倍首相>遊説で改憲語らず 「争点隠しだ」野党批判
毎日新聞 6月10日 20時27分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160610-00000099-mai-pol
安倍晋三首相が参院選に向けた全国遊説で、悲願の憲法改正への言及を避けている。賛否が割れる改憲に重点を置かず、アベノミクスによる景気回復の是非に焦点を当てたほうが有利との判断とみられる。ただ、参院選後に改憲論議が加速する可能性は否定できず、野党は「争点隠しだ」と批判を強めている。【飼手勇介、朝日弘行】
「アベノミクスは決して失敗していない。デフレから脱却し、国民をさらに豊かにしていく」。首相は10日、奈良、三重両県で街頭演説し、雇用改善などの「成果」の説明に多くの時間を割いた。マイクを握った約2時間で憲法改正には一度も触れなかった。政府関係者は「自民党は憲法改正が党是だ。演説でわざわざ言う必要はない」と話す。
自民、公明両党が発表した参院選公約も、憲法改正を正面から掲げていない。自民の憲法改正についての記述は全26ページのうち末尾の2項目のみ。「衆参の憲法審査会で議論を進め、各党との連携を図り、国民の合意形成に努める」との表現にとどめた。
首相は1月、参院選について「自公だけでなく、改憲を考えている人たちと3分の2を構成していきたい」と前のめりの姿勢を示した。一転して遊説で憲法に触れない意図について、首相周辺は「憲法改正が現実的な政治日程となってきたからこそ慎重になっている」と解説する。
公明は憲法に新たな条項を加える「加憲」の立場だ。ただ、争点化は好ましくないとみており、公約では憲法改正について全く触れていない。
これに対し、野党は憲法への言及を避ける首相や与党を批判し、「アベノミクスの失敗」と並ぶ2大争点に据える方針だ。
民進党は参院選ポスターで「2/3をとらせない」と安倍政権での憲法改正阻止を呼びかける。山尾志桜里政調会長は10日、東京都内の街頭演説で「首相は選挙になると自民党憲法改正草案を蔵にしまってしまう。選挙が終わると蔵から出して、憲法草案も賛成してもらったと必ず言う」と指摘。自民党憲法改正草案の9条について「自衛隊を国防軍にし、集団的自衛権の制限をなくす。この国の平和の形を一気に変える」と批判した。
共産党は公約で憲法について「自民党憲法改正草案に反対」を掲げる。志位和夫委員長は9日の記者会見で「自民党改憲案を許していいのかどうかが大争点だ」と述べ、参院選で首相の姿勢を問う考えを示した。
◇憲法改正に関する主要5党の参院選公約
自民 衆参の憲法審査会で議論を進め、各党との連携を図り、国民の合意形成に努め、憲法改正を目指す
公明 (記述なし)
民進 「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」の理念は堅持。時代の変化に対応した憲法のあり方は国民参加で構想(公約案)
共産 自民党改憲案は海外での武力行使を無条件で可能にし、基本的人権を制限する。時代逆行の自民案にノーの審判を下す
おおさか維新 憲法改正による教育無償化、道州制実現を含む統治機構改革、憲法裁判所の設置
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