安倍首相の「沈黙」は罪
トランプ氏の大統領令は、避難生活で苦痛を負い続けているシリアやイラクの人達にさらに苦痛を与えます。
日本の首相がこの問題で「コメントする立場にない」と発言したとき、私の頭をよぎったのは、イラクの避難民青年の言葉、「あなたたちが沈黙を続けていれば、世界はどうなってしまうのか」です。
「沈黙」することは、弱い立場の人々がさらに悲惨な事態に追い込まれることを黙認することです。
トランプ氏は、過激派組織ISへの軍事作戦を強化するといいます。しかし戦闘をやめさせるためには、軍事対軍事ではなく、人道支援こそ必要です。難民を受け入れる選択肢こそ増やさなければなりません。国境を閉ざしてしまうのは逆効果です。
ひとごとにせず、当事者性を取り戻すことが大切です。今の混乱はISによるものですが、そのISを生んだのはイラク戦争で、それを仕掛けたのはアメリカとイギリスです。支援したのは日本です。その責任を見つめることが必要です。
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フォトジャーナリスト 安田菜津紀さん
しんぶん赤旗日曜版2月12日号
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